中小企業機関でスピーチをする機会を頂いた。私の得意分野は場作りだが、結局チェンジ・マネジメントの促進手段として場作りをすることも多々あるので、そのようなトピックでもお話ができますとお伝えしたところ、オフィス創りよりもそちらでお願いしますという依頼があったので、色々と考えて準備をしてスピーチをした。
その会合に参加されている人達は中小企業で何十年も経験をされている役員、主に社長達だ。一番若くても、20年以上のキャリアがある。その中小企業では、マーケットや、規模から来る社員の大きい影響力から考えると、変化は常に起こっているという状態だ。長年やってきた方たちは、必然的に常時チェンジマネジメントを実践してきたからこそ、生き残っている。
だからスピーチの最初に断った。私の目の前にいらっしゃる皆さんはチェンジマネジメントを実践されている方々なので、そんなお話しをすることは恥ずかしいですが、現在のトレンドとして一般的に言われていること、私の経験してきた変化とそれに対する対応についてお話しし、逆に皆さんの経験について是非教えて欲しい、と。
集まりはこじんまりしていて、参加者は13名だったので、雰囲気は親しみがあり、30分という短いスピーチということもあり、半数以上は私の方を見ていてくれて、うなずきながら話を聞いてくれた。私からの話は早めに切り上げ、最後の10分は参加者の一番大変だった変化とそれにどうやって対応したか、というストーリーを語って頂くことにした。
私が話をしている際に、じっと見てくださっていた方たちに私が声をかけた。素晴らしい生きたチェンジマネジメントの手法を、3名の方々から伺うことができた。残念ながら、時間の問題もあり、本当はもっとお話を聞きたかったのだが、時間切れで3名の方々のお話しだけで終わったが、雰囲気的にも皆さん聞き入っていて、短いながらも良い知識を分かち合うセッションとなった。
2人が、如何に会社を大きくすることは簡単だが、大きくなった会社を縮小させるのが大変だったか、というお話しをされた。そのうちの一人は、自分が社長になった時の仕事と責任範囲の変化、また会長になってからの社長の教育と会長としての責任範囲の変化について語ってくださった。もう一人の方は、景気が悪い時に利益を生むという大変さ、ビジネスをやっている限り、必ず新しい事業につねにチャレンジしていなくてはならない、攻めの体制でいる限りかならず何とかなる、というお話をして下さった。もう一人の方は、お父様がご病気になられてから全然違う分野から専務としていきなりスタートし、何の会社、又は社長教育も受けないまま仕事をしなくてはならなかったこと、その1年半後には社長として会社を運営していかなかければならなかった事等お話しして下さった。その話を聞きながら、ああ、本当に今の日本における中小企業は跡継ぎとうい問題が大きんだなぁ、と実感した。会合が解散した際、もう一人残って私にお話をして下さった。政府のプログラムや制度をうまく使って色々とできること、知恵を使って工夫をすることなどについて実例を下さった。
簡単にまとめると上記のような話だったが、その場で直接経験者たちから話を聞くことは何百ページもの体験談の文章を読むよりも価値があった。こうやって書いてから読み返してみると、これでは気合が全然伝わらないということが分かった。
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