言葉が人を作るという。言葉は組織を作るともいう。どの本だったか良く覚えていないが、企業の中で使われている日常の言葉がその組織の状況を表す。
モンゴルの遊牧民も、無味乾燥な事務所の会社員も、人は五感を使って毎日を過ごしている。その毎日の中言葉は大きな影響を与える。企業が選択するスローガンも大きな影響を与えうる。しかし、ビジュアル技術が発達したためか、言葉の意味がどんどんあいまいになってきていて、特に長年英語に憧れてきた日本では、あいまいな意味の英語を日常生活に着々と取り入れてきたため、英語圏式のコミュニケーションを身に着けた少ない人たち意外は、ただでさえあいまいな言語が物事の定義を更にあいまいにさせている。
たとえば、会社のスローガン。The Possibilities Are Infiniteを訳すと、可能性は無限、となる。Innovation Into the Futureは将来への革新。Shift the futureは将来へ移す。これらの聴こえの良いローマ字スローガンを見て、社員は何をイメージするのだろうか?英語が流暢な人なら良い。でも外資系で無い日本人社員の何パーセントがそうだろうか?上記のスローガンを持っている会社は私に関係の無い会社だが、訪問する色々な企業で「あなたの会社のスローガンの意味は何ですか?」と聞くと、同じ会社で答えはばらばらだ。よく出てくるコメントでは、「訳分かんないですけどね」というもの。何かにつけて指針となるべきスローガンがこれで、企業がまとまるのかというと、私はそうでないと思う。
言葉は人に大きな影響を与える。カッコいい言葉を使ってあいまいに話す人は相手にされなくなる。企業がカッコいいスローガンを使って社員に良い影響を与える事はできないと思っている。
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