成功している人達のストーリーを知ると、自分を振り返って情けなくなる。44歳でこれといって凄い成果は出してはいない。なんて普通なんだろう!
先日人の成長(大人になるとそれに伴う心理状況)について知り合いと話した。その方は現在38歳。大手企業で研究者として働いている。仕事が好きで、集中して仕事をする大切さを十分に理解されている。その反面、家族の一員としての責任もずっしり感じられている。考えてみると、私の知っている男性の方々大半が38歳の時に、同じような仕事と家庭状況にいられたと思う。
人の子供の頃の成長過程とそれに伴う心理状況は一般的に知られている方だけれど、例えば18歳以上の成長過程とそれに伴う心理状況についてはあまり知られていない。もちろん就職状況や、結婚、子供誕生等は人によってずいぶん差があっても、体の変化や心理状況等は年齢ごとに一般論化できると思う。(多分これにも「何とか学」というのがあるのでしょうね。何と呼ばれているのでしょうか?)
先日話した知り合いのような仕事に対する思い、家庭に対する思いは38歳の男性にあるタイプとすれば、例えば私は個人的に次の年齢とタイプを知っている:
27,28歳辺りの仕事が好きな男性で、野心を持ち、体力をフルに使って自分の長点で勝負している人達を知っている。家族は意識はしているけれど、まだ深刻な状況等はない。
普通かつそれなりに成功している男性で、30歳を過ぎて自分のやっていることに大きな疑問を持ち始めた人達を知っている。その人達は、32歳ぐらいで今までの自分が進んできた道を捨て、新しい道を選び挑戦した。離婚したり、職をがらりと変えたりした。その人達は、新しい道で大きく成功している。
37歳、38歳ぐらいで仕事が好きな男性で、自分のやっている仕事を通じて世界を変えよう、といった野心を持っている人達を知っている。その人達は、仕事を大いに楽しみ、夢を持って進んでいる。その反面、家庭に関しては、色々ある。
40歳頃から自分の仕事や生き方に疑問を持ち、何とか変えようと試みる男性達を知っている。人によってはそこで転職したり、転勤などを積極的に求めたりしている。子供のいる家族は、子供が言うことを聞かなくなり、コントロールできないと悟る人も多い。
51歳、52歳ぐらいの男性で、責任の大きい仕事を情熱を持ち、ある程度楽しみながらしている男性達を知っている。自分の影響が与えられる範囲でできる限りの事をしようとしている。でもそんな人達がほんの2年ぐらいで仕事が人生の優先順位で突然低くなった人達も知っている。一番興味を持って話す内容は、引退後の人生について。そんな一人の方が言っていた。「僕がどんなにわめいても、もうこれ以上は会社を変えることができないと分かってしまったんだ。」
こんな話をしていて、44歳での自分の内容の浅さに再度情けなくなっていた。でも、私の人生の中で、苦しい時に必ず起きたことがまたこの時も起こった。どこからとも無く、希望が沸いてきた。一面灰色一色の重たい空の雲が突然わかれて、美しい青い空が見え、太陽の光が射すように。
今年の5月に受けたスター・ワークショップで聞いて深く印象に残った本当のお話を思い出した。60歳を過ぎたおばあさんが、孫が車の下敷きになってしまった時、超人的な力で車を持ち上げて孫を救ったというお話しを聞きつけて、ピークパフォーマンスの研究をしている人が彼女にインタビューをした。そのおばあさんは、インタビューに来た人間とあまり話しをしたくないようだった。問い詰めると、「聞いて。私は今まで平凡な人生を生きてきた。もう先は長くない。だから超人的な力が出たことを認めるということは、私はもしかして今までやろうと思えば何だってできてきたかもしれないのに、それをムダにした人生を送った事を認めることになる。」と答えたそうだ。それに対してインタビュー者は、「僕は今までピークパフォーマンスをしてきた多くの人達と話した。皆言うのは、どこかで始めなければならない、という事だ。あなただってまだ時間はある。今何か始めれば、あきらめて何もしないよりは、必ず何か成し遂げることができるはずだよ。」 おばあさんは、その話を聞き、やってみようという気になった。ずっと行きたかった大学に入学し、みごと卒業し、その道で職についた。夢だったヨーロッパ旅行にも行った。
一年ほどまえ、雑誌で日本人の女性で新しいキャリアを比較的遅くに始めた特集を読んだことも思い出した。50歳を過ぎてから大学を出て医師になった人。40歳からダンスをはじめ、50歳でダンススタジオを持ち、70歳になってもまだダンスを教えている人。
私も直接そんな女性に出会った事があった。24歳の結婚式でお花のアレンジを全てして下さった方。74歳だった。彼女はリューマチが酷く、45歳でほとんど動けなくなっていた。それが彼女が47歳の時ご主人が亡くなり、一人で生きていかなくてはならなくなった時、彼女は、必死で食事療法でリューマチを克服し、普通の生活ができるほどの体に戻った。そして、50歳を過ぎて運転免許証を取り、53歳から結婚式専門のお花のビジネスを始め、私が彼女に出会った74歳の時には、ビジネスは大忙しで、いつも仕事で走り回っていた。40歳後半の頃から、小麦粉や、白いお砂糖はほとんど食べない。たまに食べてしまうけれど、すぐに体が痛くなるのよね、と話していた。
そうだ。毎日が新しい事を始めるチャンスなんだ。今からなんだ。あきらめて、後ろ向きに10年生きるのと、何かに挑戦して少しでも前進しながら10年生きるのとは人生の質が全く違う。でもこれと同じようなことを1年半ほど前にこのBlogに書き込んだような覚えがある。うーん。もう一度、だな!
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