日経BPビジネスイノベーターの2004/08/31の記事に「古い価値観を捨て、新しい自分に生まれ変われ!~プレス・オールタナティブ・グループ代表 片岡 勝 氏(その1)」というのがあり、何となく読んでいたら、最近私が思っていたことそのものだったので、嬉しくなった。
片岡氏は、会社にぶらさがるのも、そこで自己実現しているのであればいいんじゃないの?という事だったが、私もそう思う。そもそも皆が同じことを目指し、実践したら、バランスが悪くなり経済なんて成り立たない。建物をたてるにも、全体を設計する人、土地をならして穴を掘る人、水道工事をするひと、電気の配線をする人、建物を組み立てる人、それを全部監督する人、買う人、住む人・・・。ようするに全員必要な訳だ。そういえば、今日訪問した中小企業の社長ともそんな話をしたんだった。遊ぶ人、勉強する人、色々いるから会社が成り立つ、と。
でも私が一番感銘を受けたのは、片岡氏の会社と個人の結びつきの話だ。彼自身三菱信託銀行で15年働いた後辞めて、辞めた後に何をして良いか分からなくなり、うつになって初めて自分の会社への依存度が如何に大きかったか気がついた。それを乗り越えたからこそ自分のお金や地位への価値観の縛りから自由になったわけだが、私もそこまでドラマチックではないかもしれないがそのような体験を今している。
結局私たちは一度働いたことのある会社から一生ご利益を受けている。片岡氏は、三菱信託銀行で働いていたからこそ、暗黙の信用を受けられたのだと思う。そして私も、日本において社会的に信頼のある、高ブランドの2つの会社で総合13年間サラリーマンをしていたからこそ社会的な信頼がある。(いくらアメリカ系外資系の会社だったからといえども・・・。)そして、私はスチールケースで働いていたからこそ、メガ企業のプロジェクトに参加でき、独立してもそれらのメガ企業から仕事を頂いて、それが全くの初対面の人達にとっては、それだけでも信頼の基となる。
失ってから初めて本当の価値が分かる。何でもそうらしい。ただ、私としては以前属していた会社は失ったわけではない。今でも良い関係を保っているし、外から良い影響を与えたいとも思っている。何よりも、心より私を育ててくれた上、一生の財産となるブランドを与えてくれた会社とその中の人達に感謝している。
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