最近のコメント

Blog People

Blog powered by TypePad
フォトアルバム

ワークプレイス創り

個人サイトの充実化

半年ぐらい、ウェブで情報収集するということはあまりしていなかった。余裕が無かったせいもあるかもしれない。ここ数日前から久しぶり(ホント久しぶり!)にまたウェブで気の向くままにサイトからサイトと読み漁っていて、半年間で個人サイトが充実したことに驚いた。ブログの力は凄い。

驚き、喜んで間もなく思ったのは、ここしばらくの間、大企業のトレンドで、個人サイトを会社から見れないようにしていること。まったくなぁ・・・。セキュリティーのために社員は刑務所レベルにチェックが厳しいがんじがらめのビルで働かせ、情報収集でもっとも現場に近く新しいものが溢れるほどある個人インターネット・サイトから守る。大企業はこのまま現実の世界からどんどん離れていって、まるでレーズンみたいに縮んでいくのだろうか?

社内コミュニケーションとムダ話しのはき違い

またか・・・。つい一週間前に、「サロン」の大切さについて書いたばかりだ。今日読んだ本は、それに対しての警告のように私に語りかけた。

イノベーションにはコミュニケーションが大切だ!それは確かな事だ。仕事を進めるためには、コミュニケーションが必要だ。学びにはコミュニケーションが鍵となる。これらはどうだろうか?

コミュニケーション・エリアをオフィスのど真ん中に作りましょう!と私が言うと、サボるやつもいる、と言う人達は少なくなかった。でもイノベーションにはコミュニケーションが絶対必要です。学びにも。そうでしょう?と返した。


ここ数年の間、オフィスの中にコミュニケーションスペースと言って、ちょっとしたオープンな打ち合わせエリアがずいぶん多くの企業に取り入れられたと思う。でも多くの企業で、このような試みは失敗だった。今日読んだジョー・ジラードの『私に売れないモノはない!』で何故失敗したのか分かった。そして、我々ワークプレイス創りに関わる人間は、この失敗を理解しないままコミュニケーション!と騒ぎ続けていることに気がついた。

「しかし、この仕事を始めてすぐに覚えた大事なことがあった。それは、「仲良しクラブには入るな!」ということだ。ほとんどのセールスマンは、新しい職場に入った当日に気づくことなのに、すぐ忘れてしまう。仲良しクラブとは、朝、職場の同僚たちが集まり、前の晩の出来事や、昼食で妻から聞かされた愚痴など、仕事とは無関係の話しをして不毛な時間を過ごすことだ。」

自分の会社員の前世を振り返ってみて、「コミュニケーション」と呼ばれるものでどんな話しをしていたか?もしかしたら、70%は自分のやっている事と直接関係の無いことだったかもしれない。でも、その70%のおかげで大事な30%の話しが可能になったか?と考えると、答えはそうではないように思える。

研究者などは、自分の仕事に没頭しやすいタイプだから、逆にこのようなムダな時間を作らないと、全く世の中や自分の研究分野にとって大切な情報にアクセスしないことになりやすい。でも「普通」の人達といえば、仕事があっても、グループのプレッシャーを感じていたり、仕事が乗らなかったり、自分の仕事が嫌いだったりすると、ついついムダな「コミュニケーション」に多くの時間を費やしたりする。

どうやらここでもまた、ハード的な場の設定ではなく、ソフト的な場の設定(社内での基本ルール、文化、リーダーシップ)が必須だといことになる。ワークプレイスでの本物の仕事に関するコミュニケーション流れを促進するためには、ソフト面がはっきりしていなくてはならない。いきあたりばったりではダメなのだ。

インフォーマル・コミュニケーションの場

Nash_4_1映画にもなった、数学者ジョン・ナッシュの伝記『A Beautiful Mind』、(和書『ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡』)を読むことが、心、精神、奉仕について深く考える機会になった。タイミング的に、今の私の自分の年齢と社会的興味範囲だからこそ、はっと気がつく事が多かったこともあると思う。何故1900年代初期にアメリカで数学、科学が花咲いたか。その連鎖反応で起こったビジネスの繁栄。そもそもそれらのきっかけを1800年代の終わりから作った人達のビジョンと信念。学者達、ビジネスマン達、その家族達の一人一人の苦悩と喜びが鮮明に描かれていて、現状の日本で活躍している人達や、蔑まれている人達とも変わりはない。

場に関して、どのような場がそこにいる人達に良い刺激を与え、全体的に成果をもたらすかということに関しては、この本に沢山の説得力のある事例があった。大学のティータイムがひとつ。プリンストン大学では、他の日常のイベントには参加しなくても良いが、ティータイムだけは絶対参加しなくてはならないというルールがある。それは、そこでのインフォーマルなコミュニケーションが生徒や教授の間での大切なアイデア交換と新しいアイデアを生み出すきっかけになる場だと皆が理解していたからだ。また、ナッシュがMITの教諭だった頃、ニューヨーク大学に元気が良い数学者達が集まっていたので、ナッシュはいつもニューヨーク大学のCourant研究所のティータイムに参加していた。

ティータイムは、集中して仕事をする数学者達の唯一の他花受粉の場で、複数の話がきける場だった。(今でもそれが続いていると思われるが?)物理学者達は、現在どの問題が一番価値があるかいつでも分かっているということに比べ、数学者は内省的なのでそうではないと言われている。ティータイムはそのような問題を緩和する機能もある。

意味のあるインフォーマル・コミュニケーションには物理的な場も必要だが、その場の運営の優先順位の高さも必要なわけだ。

ナッシュがランド(RAND)で働いていた頃は、ジョン・ウィリアムズが特別にデザインした「予知せぬ出会い」を最重視して作られた場所だった。ナッシュは問題を解くことが好きだったので、よく物理学者達が数学で困っていると、それらの問題を解決してくれた。そのためか、よくオフィス内の通路をぐるぐる歩き回っていたらしい。どこの会社にもナッシュのような人物がいると思う。もちろん時には鼻を突っ込むのが好きなだけで、これといって良いアイデアや、問題解決方法を出してくれないような人物がうろうろしていることも確かだが。

ナッシュの数学者、物理学者たちの時代だけではない。1700年代にアメリカが独立戦争をしかける準備をしていた時、ベン・フランクリンが色々なプランを立てていたパリのカフェ(今でも存在している)、産業革命のはじめのイギリス、ロイド銀行のサロン、ピーター・ドラッカーが青年時代にすごしたウィーンの知り合いのサロン、i modeのコンセプトを生み出した、松永真理氏のサロン。これらはインフォーマル・コミュニケーションの場の典型例だ。

よく企業で、うちにはサロンのようなインフォーマル・コミュニケーションはいらない、という人達に出会う。もちろん部署や仕事の内容によっては、そのような機能は必要無いかもしれない。ただ確かなことは、アイデアを出し合うこと、情報共用することが仕事の成果に直接関係がある機能では、「サロン」は絶対必要なのではないだろうか。

全く反対の意見ですが、こちらも併せてお読み下さい。社内コミュニケーションとムダ話しのはき違い